自分のこと。

日記と自分語り。

「労働」は「努力」ではない 2022/05/11(水)【日記】

仕事をして、帰りに古本を買って読んでたら一日が終わってた。

数日前から仕事を辞めよう、と明確に考えはじめている。他に食いぶちを探している。

探しはじめてからというもの、全く仕事に身が入らなくなった。勤務中はとにかく時間の過ぎるのが遅い。価値を生み出し、顧客に与えるための勤務時間が、一日の中で最も価値のない時間に感じられる。

何か仕事で嫌なことがあったり、残業したりすると、逆に嬉しくなるときがある。辞めよう、という自分の決心が間違っていないことを認識できるからだ。

最早、仕事に楽しさや面白さ、楽さを感じてはいけない。人間は(というか僕は)弱く、流されやすい生きものだから、今いる場所に満足してしまう。現状を打破するための努力を怠るようになってしまう。

少し話が飛ぶけども、僕は村上春樹の『ノルウェイの森』が好きで、永沢という登場人物を特に気に入っている。永沢は「労働」と「努力」に明確な線引きをしている。永沢に言わせると、僕の仕事は「労働」なのだろう。

「だからね、ときどき俺は世間を見まわして本当にうんざりするんだ。
どうしてこいつらは努力というものをしないんだろう、
努力もせずに不平ばかり言うんだろうってね」

僕はあきれて永沢さんの顔を眺めた。
「僕の目から見れば世の中の人々はずいぶんあくせくと身を粉にして
働いているような印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」

「あれは努力じゃなくてただの労働だ」と永沢さんは簡単に言った。
「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。
努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」

僕も不平不満ばかりここにこぼしてないで「努力」をしなくては……
そんなことを考えながら、安酒を喉奥に流し込んで眠りについた。明日の寝起きはきっと良くない。


では、また。