自分のこと。

日記と自分語り。

2022/04/19(水) 「ぼんやり」する時間の大切さ

昨日から、寝る前には何もせず「ぼんやり」とする時間を意図的に作っている。最近読んでいる『ぼんやりの時間 (岩波新書)』という本の影響を受けた形だ。

著者であるジャーナリストの辰濃和男曰く、現代人は利益や効率を求めぼんやりする時間を削った結果として「心豊かな」生活を失ったというのだ。

「かなしいことに、私たち現代人は、夜空をしみじみと仰ぐ習性から次第に遠ざかっている。利潤とか、利益とか、効率とか、管理とか、豪華さとか、スピードとか、そういうものを生活の拠り所とする人びとが増え、夜空をながめるなんてむだなことだ、と思う人が増えてきた。しかし、そのむだは本当にむだなことなのか。そういうむだがあるからこそ、生活はむしろ、ゆたかなものになっているのではないか。」

実際、一日の中でぼんやりする時間を作ると、これまでの生活では考えが及ばなかった深い部分に渡って内省をしたり、大切な人のことを考えたりして、心の活力が回復していくのを感じた。

私たち現代人は、日々、沢山の情報にさらされ、忙しく日常を過ごしている。そして、社会はその「せわしなさ」を良しとしているきらいがある。これでは、自分の人生にとっての大切な何かを見落としてしまうのかもしれない。

現に、私はぼんやりする時間を持ったことで、両親への感謝の気持ちを思い出すことができた。人間は他者からの施しを受けて生きていく生物であり、感謝は生きていく上で必要不可欠なものだ。

ただ、他者への感謝と同時に必要なのは「独り」の時間であるとも思う。独り、ぼんやりと、自分と向き合うことで、せわしない生活の中で見落としがちな自分の気持ちに気がつくこともできる。

一日の中で、ほんの少しの時間でいいから「ぼんやり」する時間を作っていきたい。日々を幸せに生きるために。大切なことを見失わないように。

では、また。